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想い 5
投稿者:アカツキ(徒弟) 投稿数:26
ジャンル:シリアス
点数:7 点

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 私は自分の無力さが嫌になっていた。これから文字通り命を賭けた戦いが始まろうとしているのに、今の私には祈ることしかできないのか。戦闘の大勢(たいせい)が決する前に、もう一度テレポを詠唱するだけの魔力を回復することはできないだろう。この戦いの結果は二つしかない。やるか、やられるか。逃げることは許されていない。
 実のところ私は、勝算はほぼないと考えていた。私は自分自身をごまかすように、殊更に前向きな発言をしていただけだ。辺りを埋め尽くすほどの数の前では、私たちの抵抗など波間にたゆたう木片のようにもろく、押し寄せる波に簡単に飲まれてしまうだろう。
 だが、勝てなくてもメンバーを救うことはできる。
 今の私にできること。祈りを捧げ、女神に祝福の慈雨を請うこと。傷つき倒れた仲間を癒し、再び立ち上がる活力を与えること。
 私は数多のゴブリンたちの恨みを買い、集中攻撃を浴びることになるだろう。そうすればきっと、十中八九、私はここに立っていることはないと思う。
 でも、その隙を突いてみんなはゴブリンの包囲網を抜けられるかもしれない。
 もちろん、私だって生きることを諦めているわけじゃない。生きられるのならどこまでだって生きてやる。風車にしがみついてでも、崖をよじ登ってでも、可能性があるならなんだってする。
 ただ、現実はそううまくいかないということを知っていたから、私はみんなの背中を見ながら覚悟を決めていた。
 そう、覚悟を決めていたのだ。それが、自分がみんなを信用していない証拠だということにその時の私は気づいていなかった。
 
 
 
「安心しろ」
 そう言ってフェルグスは敵へ向かっていった。私はもう彼の背中に向かって声をかけることはしなかった。
 右側にいるブルームと黒魔道士に目をやり、そのまま左方に視線を移して暗黒騎士と赤魔道士の様子を窺う。
 ≪女神の祝福≫のタイミングを見誤らないためにも、これから先起こることは何一つ見落とさないように集中しなければならない。タイミングを誤れば、仲間が脱出するチャンスはこない。そんな事態には絶対にさせない。中央にいるフェルグスを中心に、注意深く戦況全体を見渡していく。
 ついに戦闘が開始された。津波のごとく押し寄せたゴブリンたちが、仲間たちの周囲に一気にまとわりつく。改めて、絶望的なまでの物量差だと思い知った。それでも、戦わなければならない。
 私はメンバーの中で一番冒険者としての経験が浅いブルームが心配だった。
 案の定、開始早々に彼女の戦線は敵に押されてみるみる下がってきた。やはり、いくら頑張っているとはいえ、ブルームには荷が重い。
 だが、未熟なブルームを黒魔道士のサラセニアががっちりフォローしていた。ブルームの討ち漏らした敵を的確かつ素早く仕留め、さらに範囲魔法によって敵の戦線を後退させる。その隙に、ブルームはサラセニアの魔法を受けてもまだ息のある敵を倒し、数を減らす。
 ブルーム一人では守りきれない部分をサラセニアが補い、その掩護によってブルームは普段以上の力を発揮する。互いに支え合いながらそれぞれの力を引き出している。良いコンビネーションを見せていた。
 サラセニアの掩護もさることながら、ブルームには『受けた掩護を最大限活かす能力』があった。ブルームは連携プレーにおいてこそ、その才能を発現させる。
 一方暗黒騎士と赤魔道士は、ブルームたちの戦い方とは様相が打って変わっている。暗黒騎士の力押しで戦線を維持し、それを赤魔道士が後ろから支えることで更に暗黒騎士の火力を引き上げる。『攻撃こそ最大の防御』を地でいくような戦い方だ。
 一人で中央の敵にあたっていたフェルグスに目を向ける。
 私は、そのまましばらく彼の姿を目で追ってしまった。
 あまりに見事だ。どの敵もほぼ一撃でその命を奪っている。躱し、弾き、受け流し、隙ができたと思った時にはすでにフェルグスの剣が相手の急所を貫いていた。
 洗練された無駄のない動きで確実に敵の数を減らしている。かと思うと、敵が数で押そうとすれば、その身体のどこにそれほどの力があるのかと思うほどの豪剣で敵をまとめて薙ぎ倒し、決して後ろに退かない。フェルグスはまさしく、柔と剛を兼ね備えていた。
 皆、奮戦していた。文字通り死力を尽くした戦いだった。その甲斐もあり、戦闘が始まってしばらくは五分の勝負が続いていた。
 だが時間が経つにつれ、やはり物量差の影響が現れてきた。
 まず黒魔道士の魔力が切れた。彼女は魔力を微量ずつ回復するジュースを飲みながら粘っていたが、多すぎる敵の前ではその程度の回復量ではまかない切れるはずもなかった。
 サラセニアの掩護がなくなってしまったため、ブルームが相手にする敵の数が一気に増えた。
 懸命に応戦するブルーム。しかし、耐えきれない。ゴブリンの戦士が振るう手斧が、剣が、瞬く間に彼女の身体に傷をつけていく。
「下がれ、ブルーム!」
 あわや、というところで間一髪フェルグスが加勢にきた。ブルームを狙っていた敵を一撃で片づけると、剣を大きく振り回し群れる敵を跳ね飛ばす。フェルグスがそのまま右翼の敵も引き受けているうちに、ブルームは言われた通り彼の後ろに下がった。彼女の右腕からは鮮血がしたたり落ちていて、よろよろと脚を引きずっている。
 私はブルームの元へ走り出そうとしたが、肩を叩かれたので足を止めた。サラセニアが後ろにいた。
「ブルームちゃんと一緒に風車の中へ」
 言われるまま、私はブルームに肩を貸しながらサラセニアに続いて小さな風車の中へ入っていった。
 風車は中空になっていて、その中は薄暗く湿っていた。上で羽根の回る音が低く響いている。ブルームを壁を背にして座らせた。
 振り返ると、小さな入り口からフェルグスの後ろ姿が見えた。ブルームたちが下がったため相手にする敵の数は増えたはずだが、それでもなんなく立ち回っているのは驚嘆と言うほかない。しかし、今まで一つも退かなかったフェルグスも、さすがに徐々に押されてきている。
 暗黒騎士と赤魔道士も彼と共に下がっている。敵をあしらいながら少しずつ後退していた三人は、やがて入り口から3メートルほどのところで下がるのをやめた。そこで私はフェルグスの意図に気がついた。
 なるほど。三人は押されているのではなく、下がったのだ。この風車には入り口が一つしかない。この中にいれば、広範囲の戦線を維持する必要もなく、入り口だけを死守すればよいということになる。前線の人数が少なくなってしまった今、守るべき場所は一カ所だけの方が都合がいい。
 だが、これでいよいよ退路がなくなった。
 フェルグスが声をかけてきたのは私たちが風車の中に待避してから間もなくのことだった。
「パン、魔力はどうだ」
 ゴブリンの手斧をフェルグスが盾で受けるのと、彼が剣でそのゴブリンの胸を貫くのがほぼ同時だった。この状況にも関わらず、フェルグスはただ淡々と目の前の敵を倒しているように見えた。
 はっとした私は自分の体内を流れる魔力の量を量った。魔力の回復を図ってからどれほどの時間が経っただろう。まさかこれほどまでに持ち堪えるとは思っていなかった。──そこで、自分が仲間を信じていなかったのだということにようやく気づいた。軽い罪悪感が襲ってきたが、自己嫌悪するのは後だ。
 魔力は再詠唱まであと一歩というところまで回復していた。私は慌ててフェルグスに伝えると、彼は笑ったように見えた。絶望的だった状況に一筋の光明が差してきた。
「みんな、聞いただろ。あと少しだ。頑張れ」
『もう頑張らなくていいよ。頑張りすぎだ、あんたたち』
 フェルグスの皆を鼓舞する言葉に、予想外の声が割り込んできた。私は思わず周りを見渡した。が、もちろんパーティメンバー以外は誰もいない。サラセニアと目が合った。訝しげな表情をしている。
「今の、聞こえたかい」
「ええ。私の気のせいじゃなかったみたいね」
「こいつら、一体どうしたというんだ」
 今度は外から暗黒騎士の声が聞こえてきた。入り口から様子を窺ってみると、ゴブリンたちが攻撃をやめて少しずつ後退しているようだ。これはどういうことだろう。
「あの声が聞こえた途端、動きをとめちゃったんだよ」
 いつの間にか足元に赤魔道士がいた。私の足にすがりつきながらゴブリンたちを見つめている。
「みんな聞こえてたってことかい」
『そりゃそうさ。オレはあんたたちに話しかけてるんだから』
 また聞こえた。やや高めのその声は、相手がまだ子どもであるような印象を与えていた。
「誰だお前は」
 フェルグスが怒気をはらんだ声で問いかけたが、声の主はフェルグスの問いには答えなかった。
『機雷を起動してくれたのはありがたいけど、こうも粘られるとはなあ。初めてだよ、逃げられそうになったのは。でもそれは困るんだ。あんたたちはこれを見たわけだから、街でいろいろ騒ぎ立てられたりすると後々面倒だからさ。冒険者ってのは馬鹿な連中だから、何か不思議な話があると一斉に食いついてくる。まあその分操りやすいということなんだけど、その馬鹿さ加減が鬱陶しいんだ。あんたら冒険者は、数だけは多いからね。それに、狗≠烽「ろいろ嗅ぎ回ってるみたいだし。あいつらに現場抑えられると余計な面倒が増えるからな。だから、悠長な手段を取るのはもうおしまい。ここで全部終わらせるよ。まずは』
 声が途切れるのと同時に、背後に気配が出現したのを感じた。おぞましい空気が背後から漂ってくる。全身が一瞬で泡立った。私はその場から飛び退こうとしたが間に合わなかった。腰の辺りに衝撃を受け、吹き飛ばされた私は風車の壁に背中からぶつかった。地面に落ちた時、一瞬息が止まった。痛みで目の前が明滅する。口の中に血の味が広がる。
「君らの退路は断たせてもらったよ」
 さっきまで私がいた辺りに一人の少年が笑みを浮かべながら立っていた。誰かが息を呑むのが聞こえた。
 おかしなことが起きている。皆、それだけは認識していたが身体がついていかなかったようだ。
 少年は笑みを張りつけたまま、今度はブルームへ手をかざした。ブルームは身体が反応しないのか、少年を呆然と見つめたままだ。ブルームだけではない。私も、立ち上がることすら忘れてただ呆然とそれを眺めていた。少年の手に光が集中していく。何かが放たれようとしている。
 その少年の背後に、フェルグスが現れた。私の視界に入ってきたのと同時に、少年の肩口から剣を振り下ろした。勢いはそのままに、二の太刀で今度は下から斬り上げる。≪ファストブレード≫だ。
 しかし、そこには既に少年はいない。
 フェルグスが上を睨んだ。私も顔を向けると、はたしてそこに少年がいた。梁の上に立ってこちらを見下ろしている。金色のさらりとした髪が軽く目にかかっている。ここからは15メートルはありそうだが、まさか跳んだのだろうか。
 ぽたり、と何かが落ちて私の目の前の地面ではねた。血だった。もう一度上を見ると、少年が自分の右腕を見ている。
「すごいな、あんた。まさか当てるとはね」
「次は仕留める」
 フェルグスの声には殺意がありありとこもっていたが、少年は薄笑いを浮かべている。私はなんだか、背筋に寒いものを感じた。
「あの間合いを一瞬で詰めたことといい、あんたの身体能力は少し異常だな。本当に人間なのかい?」
 少年は先ほどと同じ軽薄な口調でフェルグスに話しかけている。それを無視して、フェルグスは少年に鋭い声を投げかけた。
「あの気配の絶ち方、シーフだなお前」
「うーん、少し正解。本業は錬金術師さ。自分で武器を持って殺し合うのは、無粋で好きじゃないな。平和主義者なんだ、オレ」
 言いながら、少年は自分の言葉が面白いのかくすくすと笑っている。彼の朱い瞳がこちらを見た。
 これは、他人を殺すのを厭わない人間がもつ眼だ、と直感した。
「あんた、自分に何が起きたかまだ気づいてないみたいだね」
 魔力を回復した黒魔道士が少年を狙う。【ブリザド】が発動した。氷塊が、きん、という独特の高い音を鳴らしながら出現する。しかし少年の姿は見えなくなっていた。声だけが不気味に反響しながら聞こえてくる。
「まだ気づいていない? ……どういうことさ」
 少年は確かに私に話しかけていた。
『そのままの意味だよ。ほら、逃げるなら早くしないとゴブリンどもがまた動き出すよ?』
 からかうように少年が言った。
 少しずつ後退していたゴブリンたちは私たちから5メートルほど離れた地点で止まっていた。じっとこちらを見ている。その数を減らしたとはいえ、物量差は未だ圧倒的だった。
 強烈な不安がにわかに襲ってきた。私はテレポを詠唱しようとした、が。
 回復していたはずの魔力はいつの間にかカラになっていた。
『……くっ、はははは! いいね、その狼狽えっぷり』
 どこかから様子を眺めて楽しんでいるのだろう。少年がこらえきれないといったように笑い出した。
『残念だったね。頑張ったおかげでせっかく逃げられそうだったのに、魔力がないんじゃどうしようもないね。へへ、実はもう一つちょっとした仕掛けがあるんだけど、ここで死んじゃったら見る前に終わっちゃうな。あれも是非見てほしいんだけどなあ』
 少年の声は心底楽しそうだった。その声に反応するように、今まで動きを止めていたゴブリンたちが一斉に活動を再開した。ぜんまいの切れた人形のようだったのが、眼に火が灯るのがわかった。
「雑魚がどれほど群れようと無駄だ。逃げられないなら、正面から叩き潰してやるまでだ」
 フェルグスが背を向けながら風車の入り口を守っている。その言葉には、凄みさえ感じさせる力強さがあった。暗黒騎士も鎌を構え直した。
『ははは、それはすごいね。これだけの敵に囲まれて、それだけのことが言えるのは大したものだよ。だけど、あんたなら本当にやりそうなんだよね。オモチャの数もずいぶん減ってしまったし。だから、ちょっと戦法を変えることにしたよ。──まずは、そこから出てもらわないとね』
 少年のその言葉が終わるやいなや、フェルグスが振り向いた。何か勘づいたようだった。フェルグスは一番近くにいた私の手を引いて、風車から外に出しながら叫んだ。
「早くここから出るんだ!」
『残念。遅いよ』
 フェルグスが私の手を離した。体勢を崩した私はそのまま地面に転がり込んだ。フェルグスが次にサラセニアの手を引いているのが目に入った。その後ろにブルームが続く。
 サラセニアが風車の外に倒れ込み、フェルグスがブルームに向けて手を伸ばした時だった。
 ブルームの隣、風車の真ん中の空間に、丸い物体が突然現れるのを私は見た。フェルグスがブルームの腕を掴む。同時に丸い物体は地面にぶつかり、ごとん、と重い音を立てた。
 閃光に目が眩んだ。続いて腹の底から震えるような衝撃と爆音、熱波が襲ってきた。思わず顔を庇った右手に、不意に鋭い痛みが走った。しかし確認することができない。爆風で後ろに倒された。
 衝撃が止んだ。目を開ける。右手の甲に釘のようなものが突き刺さっていた。どくどくと赤黒い血が流れている。その場所が熱を持ったように熱かった。あの時無意識に手で庇っていなかったら、これは私の顔に突き立てられていただろう。
「大丈夫か!!」
 フェルグスの声ではっと我に返った。
 さっきのは爆弾だ。突然風車の中に現れた爆弾が炸裂したのだ。ブルームの至近で。手に突き刺さった釘を引き抜いて投げ捨てる。痛みも忘れ、彼女の元へ駆け寄った。
 ブルームは風車の前で俯せに横たわっていた。
 まだ息はあった。ブルームの着けているチェーンメイルが熱を持っていて触ることができなかったので、急いで鞄から飲み水を取り出して彼女にかけた。鎧にぶつかった水はじゅうと音を立てながら蒸発していく。
 フェルグスが【ケアルIV】を唱えた。赤魔道士もケアルIIIを唱えている。白い輝きがブルームの身体を包むと、荒かった彼女の息が整っていく。
 私はブルームの鎧を外した。手が焼ける。だが構っていられない。このままではブルームがまた火傷してしまう。
 鎧を外すのをフェルグスが手伝ってくれた。鉄の鎖に籠もっている熱などまるで気にしないかのように手際よくチェーンメイルを外していく。
 彼も怪我をしていた。風車の中にいた私たちを助けようとしたのだから当然だろう。ブルームに向けて伸ばしていた右腕の鎧が黒く汚れていて、右側の額からぼたぼたと血を滴らせていた。飛んできた破片か何かで切ったのだろう。
『一人くらい仕留められるかと思ったのに、まだ生きてるんだ。しぶといね』
 辺りに少年の声が響く。少し苛立ちが感じられた。思い通りに事が進まないのが気に食わないのだろう。
 フェルグスは剣を持ち立ち上がった。暗黒騎士が「大丈夫か」と声をかけたが、彼は返事もせずゴブリンたちと対面している。
『とうとう奴らが嗅ぎつけたみたいだ』
 少年は静かに言った。
『これ以上長引かせるわけにはいかない。終わりだよ。楽しかったけど、もういいや』
 少年の冷淡な声が終わるのを合図にしたように、ゴブリンたちが全く同じ動きをしながら鞄を漁りだした。
 不気味だった。数を減らしたとはいえ、それでも100はいるだろうゴブリンたちが、寸分違わず、全く同じタイミングで動いている。目が錯覚を起こしそうな光景だった。
 だが、それ以上に今私の思考を支配しているのは別の考えだった。恐ろしい、しかし、この後に起こることとしてはこれ以外考えられないもの。
 先ほど風車の中で炸裂したもの。──あれは、ゴブリンが普段使うものと同じではなかったか。
 私の悪い考えは当たってしまったようだ。
「俺の後ろで一つになって固まれ!!」
 フェルグスが絶叫した。
 ゴブリンたちが鞄の中から黒い塊を取り出した。確認するまでもない。あれは≪ゴブリングレネード≫だ。
『ばいばい。死んでね』
 ゴブリンたちが一斉にその塊を宙に放り投げた。あれでは自分たちさえ巻き込まれる。そんなこと気にしないというのか。
 私はブルームを庇った。赤魔道士も伏せている。その私たちを黒魔道士が腕で包み込み、更に暗黒騎士がその身を挺して壁となった。
「誰も死なせない!!」
 その私たちとゴブリンの間に、フェルグスが立ちはだかった。
 フェル、と名前を呼ぶ間もなく、轟音が鳴り、爆風がパーティを殴り倒していく。熱波が髪を焦がし、皮膚を焼く。
 とてつもない衝撃だった。一カ所に固まっていた私たちはいとも容易く吹き飛ばされ、私はどこかに頭をぶつけた。
 その時、眩く光り輝く何かが辺りに広がっていくのを見た。その光が広がるのと同時に、私たちを襲った熱風が止んだのを感じた。
 薄れゆく意識の中で、私たちの盾になっていたフェルグスが頽(くずお)れるのを見た。彼の名を叫んだつもりだが、声にならなかった。
 そして私は意識を失った。最後に、冷たいものが顔を打つのを感じた。雨が降ってきたのだな、と思った。
投稿日時:2007-06-10 18:17:21
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[003] ありがとうございます
投稿者:アカツキ(徒弟) 投稿数:26
まず、返信が遅れたご無礼をお許し下さい。

今回の話はロイの回想です。ですので、PTの生死については既にわかっています。他にも困惑させてしまった方がいるようなので、それは私の文章力の拙さですね。今後改善いたします。

お褒めいただきありがとうございますm(_ _"m)ペコリ
ロイの視点から書くより、パンの視点から書く方が彼の強さが際だつかな、と。まさか自分で自分を「俺つえええ」って訳にもいきませんし(笑)

次回もよりよい作品を創ることができるよう頑張ります……が、ただいま創作活動に時間を割く余裕がありません(^_^;)次回はいつになることやら……。ですが、必ず仕上げたいと思いますのでその時はどうぞよろしくお願いいたします。
点数:0 点
投稿日時:2007-06-26 22:55:00
[002] 感想記事の投稿失礼致します。
投稿者:JR(名取) 投稿数:96
 とても面白かったです。
 今回はパンさんの視点から描いた物語のようですね。主観とする人物を変更しても違和感なく描かれているように思います。
 物語に気迫があったように思います。展開していく物語、先頭描写や、一人称で描かれるパンさんの心情に引き込まれずんずん読めました。
 さて、謎の少年の登場と“狗”の正体。そしてPTの安否が気になるところですが次回からの物語の展開も楽しみに待ち焦がれております^^
点数:7 点
投稿日時:2007-06-11 00:08:23
[001] 才能なんてない
投稿者:アカツキ(徒弟) 投稿数:26
練習あるのみ。
最初から上手く書こうと思うな。書いてるうちに上手くなれ。


こんな気概でやっております。
物語の構成、文法の誤りなど、大きなものから「これは重箱の隅を突くようなもんかな……」と思われるようなことであっても構いません。感想をいただければ嬉しいです。

感想をいただけなくても、誰かが読んでくれるというだけで嬉しいです。皆様に感謝ですm(_ _)m
点数:0 点
投稿日時:2007-06-10 18:41:04
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